世界では4,000万人を超える勢いでオンラインカジノのプレイ人口が増えていますが、日本でも利用数は300万人に迫る勢いとなっています。まず、その驚愕な数に驚きますが、ここで矛盾するのは「日本はギャンブルが認められていない国なのでは?」という点です。日本でもネットカジノを公然にプレイする方が多いですが、本当に大丈夫なのでしょうか?罪にはならないのでしょうか?
ここではオンラインカジノは合法なの?という点にフォーカスし、日本の法律に沿って「違法性・合法性」を考えてみたいと思います。
日本でオンラインカジノを裁く法律がない
そもそも、日本の法律には海外を拠点として運営するオンラインカジノを裁く法律がありません。つまり、法律に沿ってオンラインカジノの違法性や合法性を公に証明するものが存在しないということになります。
オンラインカジノはインターネットの接続さえあれば日本からでもアクセスでき、個人情報を含む新規登録を順序立てて行えば、そのオンラインカジノの顧客になることができるわけです。プレイヤーはそのプラットフォームでお気に入りのスロットゲーム、ブラックジャックやバカラなどのテーブルゲームや、ドリームキャッチャーといったホイールゲーム、モノポリーやディールオアノーディールなどのライブゲームを「まるで海外のランドカジノにいるような感覚」で楽しめます。
現在のところ、カジノゲームがすぐ手に届く距離にあるという状況が、合法か、違法かという概念を取っ払ってしまい、利用客増の背景を後押しているのかもしれません。
公営ギャンブルは合法で運営されている
もちろん、日本では賭博やギャンブルを行うのは公営ギャンブル以外は禁止となっています。公営ギャンブルは青少年の育成や地域経済や文化の発展に貢献するために特別に許されている合法のギャンブルを意味します。例えば、競馬、競輪、競艇といったスポーツ事業が該当しますが、こられは国で正式に認められているわけですね。そして、これら以外のシチュエーションでお金を賭けることは日本では禁じられています。
また、日本のカルチャーの一つである「パチンコ」についてはどうなのか?という点についても賛否両論あるでしょう。パチンコは勝利すると景品に交換できますが、この時点では日本の法律にある賭博罪に触れることはありません。ここで、現金にストレートに交換すると「X」ということになるわけですね。
しかし、その後、その景品を現金に変換することが現状としては可能になっています。そして、この状況はほぼ公然に行われてしまっており、黙認されています。ここでも、パチンコを取り締まる術が法律の上では見当たらないということになるわけですね。オンラインカジノの違法性が問われ、法律で裁くことができない状況と似ています。
過去のオンラインカジノ逮捕事例では不起訴処分に
記憶に新しいところでは、ある市の職員がオンラインカジノに公的資金を流用してしまった事例がありました。ここで、一気に「オンラインカジノ」という存在が注目されましたが、加えて、過去には日本人のスロットプレイヤーがプログレッシブジャックポットで1億円を稼いだこともあり、こちらも新聞等で公に報道されています。それぞれ別の意味でオンラインカジノという言葉が社会に飛び交うようになったわけですね。
とかく、世間の視線を浴びる機会が多いオンラインカジノですが、別件では実際に逮捕された後「不起訴処分」になった事例もあります。このケースではオンラインカジノで遊んでいたプレイヤーが逮捕されたのですが「オンラインカジノは違法ではない」と主張し、最終的に不起訴になりました。もちろん、ここで合法ということを認めたわけではないのですが、逆に「オンラインカジノは違法でもない」ということを公に証明した瞬間でもあると解釈できます。
このようなアップダウンがありながら現在に至るわけですが、今後は2026年に向けてカジノを含むIR計画(統合型リゾート施設)が進む予定です。つまり、日本でカジノを合法としてプレイできる日が着々と近づいてきている!ということなのです。こういったプロセスの渦中で「オンラインカジノ」は黙認されているということになりますね。
繰り返しますが、現状の段階ではオンラインカジノは合法でも、違法でもありません。日本特有のグレーゾーンにばっちりはまってしまっている状態で、それを横目に利用客は増えています。すでにオンラインカジノが浸透してしまっている日本ですが、数年後に合法となるランドカジノの登場を踏まえて、どのような動きが出るのか目が離せません。