90年代の少女マンガ誌といえば、「りぼん」「なかよし」「ちゃお」の3トップを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?姉妹雑誌などを含めるともっとたくさんの雑誌が展開されていましたが、そのどれも魅惑的な特徴を持ち、私たち読者を魅了していましたよね。今日は、3大少女マンガ誌を中心に、懐かしい90年代の雑誌を振り返ってみたいと思います。
あなたはどれが好きだった?3大少女マンガ誌を振り返ろう
りぼん:王道の人気作品が集結!
誰もがテレビアニメで観たことのある作品が大集結した、3大少女マンガ誌の中でもトップの売り上げを誇っていた、りぼん。可愛らしいイラストというよりは、女の子が自由帳に描きたい!と憧れるような大人っぽく美しい作風が多かった印象を受けますね。種村有菜さんや亜月亮さんなど、読んでいるだけで思わず見とれてしまう登場人物たちに、魅了される読者が多かったようです。当時の作品は時代を超えて人気を集めており、2015年には、当時の応募者全員プレゼントで話題となった、「姫ちゃんのリボン」「ママレード・ボーイ」「ご近所物語」のトートバッグがバンダイより復刻され、話題になりましたよ。
なかよし:ファンタジー路線で社会現象も
恋に日常に、人間模様…そんな平凡な毎日を描くというよりは、非現実的な世界をメルヘンに、ラブリーに描く作品が目立っていた、なかよし。現在発行されているマンガ雑誌の中では最も歴史が古く、創刊は1954年!当初は読み物系が多かったそうですが、時代とともに少女マンガ誌へと発展したのだとか。一時は、少女マンガ誌の中でトップに躍り出たこともありましたが、長年ヒット作に恵まれない時期もあったそう。しかし、「美少女戦士セーラームーン」の連載が始まると同時に売り上げは右肩上がりに。最大のライバルだった『りぼん』で連載されていたヒット作「ちびまる子ちゃん」を、なかよしが「セーラームーン」で追い上げるかたちになります。
ちゃお:アニメとのW効果を狙う
りぼん、なかよしと比べて新顔だった『ちゃお』は、メディアとのタイアップ作品に力を入れていました。テレビアニメと常に同時進行で連載を続け、常に読者&視聴者を離さない企業努力が見えました。また、『ちゃお』はライバル雑誌よりも豪華な付録を用意し、消費者の興味をそそります。テレビアニメも放送している有名作品がデザインされたバッグやポーチ、タオルなどの付録は、小学生女子が学校に持って行くのにもぴったり。まさに購買意欲を掻き立てていたのですね。
3大少女マンガ誌の連載作品を見てみよう
りぼん
王道の少女マンガ作品が詰め込まれた、女の子のためのマンガ誌「りぼん」。王道のラブストーリーや、女の子の日常を可愛らしく描いた描写は、自分の生活と重ね合わせてはテンションが上がったものです。大人気作品『ご近所物語』の作者・矢沢あい 病気というニュースが舞い込んできたことも、当時の読者を驚かせましたね。
- ママレード・ボーイ(吉住渉)
- ちびまる子ちゃん(さくらももこ)
- 姫ちゃんのリボン(水沢めぐみ)
- 赤ずきんチャチャ(彩花みん)
- ご近所物語(矢沢あい)
なかよし
ファンタジー作品で、世の小学生女子を夢の世界へ誘ったマンガ誌「なかよし」。人気の作品はこんなラインナップでした。
- きんぎょ注意報(猫部ねこ)
- ミラクル☆ガールズ(秋元奈美)
- 魔法戦士レイアース(CLAMP)
- 美少女戦士セーラームーン(竹内直子)
- カードキャプターさくら(CLAMP)
- リボンの騎士(手塚治虫)
- キャンディ♥キャンディ(いがらしゆみこ)
ちゃお
一風変わった作風で人気だったちゃお。りぼんとなかよしとは全く路線の違い、ちょっぴり大人の性描写が多かったり、大河的なファンタジー作品も掲載されたりするなど、完全にターゲット層を変えた雑誌として知られていました。
- ミルモでポン!(篠塚ひろむ)
- 魔法のスターマジカルエミ(あらいきよこ)
- 少女革命ウテナ(ビーパパス)
- 愛天使伝説ウェディングピーチ(富田祐弘)
- 水色世代(やぶうち優)
- ふしぎ遊戯(渡瀬悠宇)
【番外編】他にもあった人気少女マンガ誌
花とゆめ
シリアスな作品からコメディー系まで、幅広く扱う花とゆめ。王道なラブストーリーでも、メルヘンな物語でもなく、ちょっと変わった境遇にある主人公を描くなど、ついつい続きが気になってしまう構成のストーリーで惹き込みました。代表作は、テレビドラマ化もされた「花ざかりの君たちへ」などがありましたね。
マーガレット
2005年にテレビドラマ化され、社会現象も巻き起こした作品『花より男子』が連載されていた、マーガレット。姉妹雑誌・別冊マーガレットも同様に人気を博していましたね。りぼんのマンガを卒業した、思春期の女の子たちに刺さる作品が多いことでも人気だったマーガレット。
週刊フレンド
りぼんからマーガレットにステップアップするのと同じように、なかよしを卒業した女の子たちが次に読む少女マンガ誌として出てきたのが、週刊フレンド。惜しまれながらも1996年に廃刊となってしまいましたが、ファンタジー作品の上位作品ともとれる”強い少女”が主人公になった作品が多かったですよね。週刊フレンドの姉妹雑誌・別冊フレンドでは、発行部数1400万部の「ピーチガール」などの人気作品が名を連ねました。
まとめ
20代・30代以上の方には懐かしくもある少女マンガ誌を振り返ってみました。あなたが愛読していたシリーズはありましたか?あの頃、夢中で書店に買いに行った幼少期を思い出して、なんだか感慨深い気持ちになりますね。私たちは、知らず知らずのうちにマンガから大切なことを学んでいたのかもしれません。懐かしくも、甘酸っぱくもある不思議な感覚を思い出す、少女マンガ誌。久しぶりに実家に帰り、押し入れから引っ張り出してみるのも良いかもしれません。